LINE詐欺メールに返信してしまったらどうする?実際に届いた文面と対処法を解説
「社長から突然、LINEのQRコードを送ってほしいというメールが来た」
「LINEグループを作って、QRコードを返信するように言われた」
「怪しいと思わず返信してしまった……」
最近、会社の代表者や上司になりすましてメールを送り、LINEでのやり取りへ誘導しようとする不審なメールが確認されています。
当社にも同様のメールが繰り返し届いており、2026年5月20日から9月10日までに確認しただけでも25通ありました。
中には実際の代表者名を差出人として表示したものもあり、一見すると社内からの業務連絡に見えるものがあります。
この記事では、
「今届いたメールが詐欺なのか確認したい方」
と、
「すでに返信・クリック・入力してしまった方」
の両方に向けて、当社へ実際に届いたメールの文面を紹介しながら、どこに注意すればよいのか、そして操作してしまった場合に何をすればよいのかを解説します。
※安全上、当社では実際の詐欺業者とのやり取りや詐欺サイトへのアクセスは行っていません。その先で起こり得る被害や対処方法については、LINE公式、警察庁、フィッシング対策協議会などが公開している情報をもとに解説しています。
2026年9月24日
返信後は「どこまで操作したか」で対応が変わります
- メールに返信しただけなら、それ以上やり取りを続けない
- LINEのQRコードやIDを送ったら、QRコードの更新と不審な相手への注意を行う
- LINEグループへ招待したら、相手を退出・ブロックし、招待用QRコードを更新する
- URLを開いたら、パスワード入力やファイルのダウンロードをしていないか確認する
- パスワードや認証番号を入力したら、すぐに変更し、ログイン中の端末を確認する
- 送金やカード情報の入力まで行ったら、金融機関やカード会社へ直ちに連絡する
返信してしまったことを責めたり、隠したりする必要はありません
被害を広げないために大切なのは、できるだけ早くやり取りを止め、社内の責任者やIT担当者へ報告することです。
こんなメールが届いていませんか?
当社へ実際に届いたメールでは、送信元アドレスや細かな文章は毎回異なります。
しかし、内容を比較すると共通する特徴があります。
特に次のような文章が書かれているメールには注意してください。
「ご自身の個人LINEのQRコードまたはIDをこのメールアドレス宛に返信してください」
「送付後、LINEで追加し、今後の業務連絡はLINEを通じて行います」
「今後の連絡をLINEで統一するため、お手数ですが本メール受信後にQRコードをご返信ください」
「業務連絡の利便性向上のため、LINEでの連絡を開始いたします」
「今後、緊急連絡や業務連絡を迅速に行うため、LINEによる連絡網を整備いたします」
文章だけを見ると、
「会社の連絡方法が変わるのかな?」
と思ってしまうかもしれません。
しかし、代表者や上司から突然このようなメールが届いた場合は、そのまま返信しないでください。
「LINEグループを作ってください」というメールにも注意
最近当社へ届いているメールには、単にLINEのIDやQRコードを聞くだけではなく、受信者自身に新しいLINEグループを作らせるものがあります。
例えば、「新しくLINEグループを作成してください。グループ名は会社名でお願いします」という指示です。
さらに、「他の方は追加せず、まずはご自身のみ参加した状態にしてください」と続くものもあります。
別のメールでは、
「LINEグループを作成してください。作成の際は、まずご自身のみ参加してください」
「作成後、グループのQRコードをこのメールアドレスへお送りください」
という文面も確認しました。
「他の人は追加しない」
「まず自分だけでグループを作る」
「作ったグループのQRコードをメールで送る」
このような指示があった場合は特に注意してください。
「社長」「代表者」からの業務指示に見せかける
当社に届いたメールの中には、実際の代表者の氏名を差出人名として表示し、本人からの業務指示であるように見せかけたものもありました。
例えば、「本日の業務連絡用として、LINEの登録をお願いします」としたうえで、
「確認次第、【至急】以下のいずれかをご返信ください」
としてLINE IDやQRコードを要求するものです。
さらに、
「財務関連の連絡をより円滑に行うため」
「財務ご担当者様とご調整のうえ、新しくLINEのグループを作成していただけますでしょうか」
という、かなり具体的な業務指示に見えるメールも届いています。
「代表者からの指示」
「財務関連」
「至急」
といった言葉が並んでいると、「社長からの指示だから急いで対応しなければ」と思ってしまうかもしれません。
しかし、急がせること自体が詐欺で使われる典型的な手口の一つです。
「連絡先を変更した」というパターンも
さらに、
「連絡先変更のため、新しいLINEアカウントから改めて連絡します」
として、
「友だち追加用のQRコード(または招待リンク)を返信で送ってください」
と要求するメールも確認しています。
最後には、
「至急共有したい業務連絡があります」
と書かれていました。
「連絡先が変わった」
「新しいLINEから連絡する」
「急ぎの業務連絡がある」
と言われれば、LINEのQRコードを送ることにも違和感を覚えにくくなります。
しかし、普段とは違うメールアドレスから突然LINEへの移動を求められた場合は、メールへ返信する前に本人へ確認してください。
実際に届いた25通を比べると、文面が少しずつ違います
今回、当社が2026年5月20日から9月10日までに受信した同種のメール25通を確認しました。
興味深いのは、すべてが同じ文章ではないことです。
「個人LINEのQRコードを返信してください」
という比較的単純なものから、
「LINEグループを作成してください」
「他の方は追加せず、ご自身のみ参加してください」
「財務関連の連絡をより円滑に行うため」
「連絡先変更のため、新しいLINEアカウントから改めて連絡します」
など、理由や指示内容を変えたものが届いています。
つまり、「以前見た詐欺メールと文章が違うから、今回は本物だろう」
とは判断できません。
文章そのものより、
代表者や上司を名乗る
↓
業務上必要だと思わせる
↓
LINEのID・QRコード・グループ作成などを要求する
↓
メールからLINEへやり取りを移そうとする
という流れに注目してください。
差出人に「社長の名前」が表示されていても信用しない
今回当社へ届いたメールには、差出人として実際の代表者名が表示されているものがありました。
しかし送信元メールアドレスまで確認すると、本人が通常使用しているものとは異なるアドレスでした。
メールソフトに大きく表示される「差出人名」だけでは、本人であることを確認できません。
特に、といった特徴が重なった場合は要注意です。
メールには返信せず、普段使用している電話番号や社内チャットなど、メールとは別の連絡方法で本人へ確認してください。
- 普段と違うメールアドレスから届いた
- LINEのIDやQRコードを要求された
- LINEグループを作るよう指示された
- 「至急」などと急がされた
- 他の社員をグループに入れないよう指示された
- 財務や支払いなど、お金に関係する話が出てきた
では、すでに返信してしまったらどうする?
ここからがこの記事のもう一つの重要なポイントです。
「この記事を読む前に返信してしまった」
という方もいるでしょう。
まず確認してほしいのは、「返信してしまったか」だけではなく、その後どこまで操作したかです。
メールに返信しただけなのか、LINEへ移動したのか、URLを開いたのか、パスワードや認証番号まで入力してしまったのかによって、必要な対応が変わります。
まずは「どこまでやった?」を確認
| やってしまったこと | 危険度の目安 | まず行うこと |
|---|---|---|
| メールを開いただけ | 低 | 削除・迷惑メール報告 |
| メールに返信した | 低~中 | それ以上返信しない |
| LINEのQRコードやIDを返信した | 中 | QRコードを更新し、以後の接触に応じない |
| LINEで相手を追加・グループへ招待した | 中~高 | やり取りを中止して相手をブロック |
| メール内のURLを開いた | 中 | 入力・ダウンロードの有無を確認 |
| 電話番号・メールアドレスを入力した | 中~高 | その後の不審な連絡に注意 |
| LINEのパスワードを入力した | 高 | すぐにパスワード変更 |
| LINEの認証番号まで入力した | 非常に高い | アカウントの状態を至急確認 |
| クレジットカード・口座情報を入力した | 非常に高い | カード会社・金融機関へ連絡 |
| アプリやファイルをインストールした | 非常に高い | 端末の使用を止め、安全確認を行う |
| 指定された口座へ送金した | 非常に高い | 金融機関と警察へ直ちに連絡 |
※「危険度」は公的機関が定めたランクではなく、必要な対応を分かりやすくするための目安です。
LINE以外のフィッシングメールで、Microsoft 365やクレジットカード、銀行口座などの情報を入力してしまった場合は、こちらの記事もご確認ください。
1.メールを開いただけ
メールを開いて本文を読んだだけであれば、それだけでLINEのパスワードや認証番号を相手へ渡したわけではありません。メール内のURLを開いたり、そのまま返信したりせず、迷惑メールとして処理しましょう。
2.メールに返信してしまった
「本物の社長からだと思って返信してしまった!」
という場合でも、返信しただけで直ちにLINEアカウントが乗っ取られたとは限りません。
ただし、そこでやり取りを中止してください。
返信することで、そのメールアドレスが実際に使用されていることや、受信者がメールに反応することを相手に知られた可能性があります。その後届くメールには、これまで以上に注意しましょう。
3.LINEのQRコードやIDを送ってしまった
今回当社へ届いているメールでは、ここが重要です。
LINEのQRコードやIDを送ってしまった場合、相手からLINEで接触される可能性があります。
知らないアカウントから友だち追加やメッセージが来ても、それ以上やり取りを続けないでください。
相手をブロックし、必要に応じてLINE上で通報します。
特にその後、
「急ぎで支払いをしてほしい」
「プリペイドカードを購入してほしい」
「PayPayで送金してほしい」
「認証番号を教えてほしい」
などと言われても応じてはいけません。
送ってしまったQRコードは更新する
友だち追加用のQRコードを送ってしまった場合は、それまでのQRコードを無効にするため、LINEアプリでQRコードを更新しておくと安心です。
LINEアプリの「トーク」画面上部にある「+」から「マイQRコード」を開き、「更新」を押します。
LINE IDも送った場合は、「設定」から「プロフィール」を開き、「IDによる友だち追加を許可」をオフにすることも検討してください。
グループの招待用QRコードを送った場合は、対象のグループを開き、「招待」からQRコードまたは招待リンクを更新します。
詳しい操作方法は、LINE公式の「友だち追加を拒否する」 でも確認できます。
4.LINEグループを作って相手を招待してしまった
相手をLINEグループへ招待してしまった場合も、それ以上の指示には従わないでください。
「グループを作っただけだから大丈夫」と考えて、その後の会話を続ける方が危険です。
今回のような手口では、メールからLINEへ場所を移した後に本来の要求が始まる可能性があります。
まずやり取りを中止し、社内であれば本物の代表者や上司へ報告してください。
5.メールやLINEから案内されたURLを開いてしまった
ここからはさらに注意が必要です。
警察庁は、実在する企業やサービスをかたったメールやSMSから偽サイトへ誘導し、IDやパスワードなどを盗み取るフィッシングについて注意を呼びかけています。
URLを開いてしまった場合は、
- IDやパスワードを入力していないか
- 電話番号やメールアドレスを入力していないか
- ファイルをダウンロードしていないか
- アプリをインストールしていないか
を確認してください。
URLを開いたことだけではなく、その後何をしたかが重要です。
6. LINEのパスワードを入力してしまった
LINEのパスワードを偽サイトなどへ入力してしまった場合は、できるだけ早くLINEのパスワードを変更してください。
さらに、同じメールアドレスとパスワードの組み合わせを別のサービスでも使用している場合は要注意です。
同じパスワードを使っているサービスについても変更してください。
7.LINEの認証番号まで入力・伝達してしまった
ここは特に注意が必要です。
LINE公式は、自分自身でLINEアカウントの引き継ぎなどを行う場合を除き、認証番号を使用することはないと案内しています。
第三者から、
「本人確認のため認証番号を教えてください」
「SMSに届いた数字を入力してください」
などと言われても、絶対に伝えないでください。
すでに伝えてしまった場合は、LINEアカウントが不正利用されていないか至急確認します。
突然「アカウントからログアウトされました」と表示されたら
LINEを使用していて突然ログアウトされ、「アカウントからログアウトされました」などと表示された場合は、アカウントが乗っ取られた可能性があります。
LINE公式は、このような場合「削除」を押さず、再ログインを試すよう案内しています。
第三者から、「LINEをアンインストールしてください」「削除してください」などと言われても、その指示には従わないでください。
まだLINEを普通に使えている場合は?
現在使用しているスマートフォンでLINEを通常どおり利用できているかも確認しましょう。
さらに
- 身に覚えのないログイン通知
- 覚えのないメッセージ
- 不審なログイン端末
などがないか確認します。
不審な点があれば、パスワード変更、ログイン許可の見直し、不審な端末のログアウトなどを行ってください。
LINEへ誘導された後に怖いのは「次の要求」
こうした詐欺で重要なのは、LINEへ移動すること自体が最終目的とは限らないことです。
LINE公式も、フィッシングサイトなどによってLINEアカウントを乗っ取り、そのアカウントから家族・友人・知人へ送金を要求する手口について注意を呼びかけています。
つまり、
代表者を装ったメールが届く
↓
LINEへ誘導される
↓
相手を信用してしまう
↓
金銭・情報・認証などを要求される
という展開に注意する必要があります。
また、LINEアカウント自体を乗っ取られてしまえば、あなたになりすました犯人が、今度はあなたの家族や友人をだます。
という二次被害につながる可能性もあります。
すでに送金してしまった場合
相手が指定した口座へ振り込んだり、PayPayなどで送金したりしてしまった場合は、様子を見ず、利用した金融機関や決済サービスへ直ちに連絡してください。
あわせて、次の情報を削除せず保存します。
- 届いたメールとメールヘッダー
- LINE上のやり取り
- 相手のアカウント情報
- 指定された口座情報
- 振込・送金日時と金額
- 送金完了画面や利用履歴のスクリーンショット
そのうえで、最寄りの警察署または警察相談専用電話「#9110」へ相談してください。 犯人とのやり取りは中止し、「返金するために手数料が必要」などの新たな要求にも応じないでください。
「社長からLINEを教えて」と言われたら、本人に聞くのが一番早い
こうしたメールを見抜くために、難しいIT知識が必ずしも必要なわけではありません。
一番確実なのは、メールとは別の方法で本人に確認することです。
社長からメールが届いたのであれば、普段使用している電話番号に電話する。
社内にいるのであれば、直接本人に聞く。
普段使用しているTeamsや社内チャットがあるなら、そちらから確認する。
「先ほどLINEグループを作るようメールをいただきましたが、社長からでしょうか?」
これだけで防げる可能性があります。
重要なのは、怪しいメールに書かれている電話番号や連絡先を使って確認しないことです。
普段から知っている連絡方法を使ってください。
会社として決めておくと安心なルール
会社の場合は、社員一人ひとりに詐欺メールを完璧に見抜いてもらうことには限界があります。
そこで、
「代表者・役員からメールでLINEのQRコードや送金を要求することはない」
「支払い方法や振込先の変更はメールだけでは受け付けない」
「金銭に関する急な指示は必ず別の方法で本人確認する」
など、社内ルールを決めておくことも有効です。
そして、社員が怪しいメールを受け取ったときに、「これ、開いて大丈夫ですか?」と気軽に聞ける人を決めておくことも大切です。
振込先の変更を装う詐欺メールについては、こちらの記事でも詳しく解説しています。
よくある質問
「こんなとき誰に聞けばいいの?」という会社へ
中小企業では専任のIT担当者がおらず、
「社長の名前でこんなメールが来たけれど本物?」
「社員がLINEのQRコードを送ってしまった」
「怪しいURLを開いてしまった」
「会社のパスワードを入力してしまった」
といったトラブルが起きたとき、誰に相談すればよいのかわからないケースがあります。
アルファパートナーズの「よろずITおまかせサポート」では、こうした日常的なITの困りごとについてもご相談いただけます。
大きなシステム障害だけでなく、「ちょっとこれを見てほしい」という相談ができるIT担当者として、中小企業のIT環境をサポートします。
トラブルが起きてから相談先を探すのではなく、「困ったときに聞けるIT担当者がいる」という環境づくりをお手伝いします。
怪しいメールを操作してしまった場合もご相談ください
- 社長から届いたように見えるメールが本物か確認したい
- LINEのQRコードを返信してしまった
- URLを開いたが、何を確認すればよいか分からない
- 社員がパスワードや認証番号を入力してしまった
- 同じ詐欺メールが社内の複数人へ届いている
- 今後のために社内ルールを整えたい
このような段階からでもご相談いただけます。
操作してしまった方を責めるのではなく、まず状況を整理し、被害の有無と次に必要な対応を一緒に確認します。