ITの困りごとを総務担当者だけで抱えていませんか?IT担当者がいない会社の負担を減らす方法
こんにちは。アルファパートナーズのITサポート担当です。
中小企業では、総務担当者がパソコンやメールに関する相談窓口になっていることがあります。
- ● 「メールが届かないので見てほしい」
- ● 「パソコンが急に遅くなった」
- ● 「プリンターにつながらない」
- ● 「このメールは開いても大丈夫?」
- ● 「新しく入った社員のパソコンを設定してほしい」
本来は総務の仕事ではなくても、ほかに相談できる人がいないため、自然と総務担当者へ問い合わせが集まります。
しかし、その総務担当者もITの専門家ではありません。
インターネットで調べたり、詳しそうな社員へ聞いたり、パソコンを購入した業者へ連絡したりしながら、なんとか対応している会社も多いのではないでしょうか。
問題は、総務担当者の知識や努力が足りないことではありません。
IT担当者がいない会社で、パソコン、メール、Microsoft 365、ネットワーク、セキュリティまで、一人で対応しなければならない体制そのものに無理があるのです。
この記事では、ITの困りごとが総務担当者へ集中する理由と、その負担を減らす方法を、経営者と総務担当者の両方に向けて分かりやすく解説します。
2026年9月11日
なぜ総務担当者が「社内のIT担当」になるのか
総務担当者は、会社全体に関わる幅広い業務を担当しています。
- 入社・退職手続き
- 勤怠管理
- 社会保険や労務関係
- 備品管理
- 郵便や電話対応
- 契約書や社内文書の管理
- オフィス設備の管理
- 各種業者との連絡
パソコンやアカウントも会社の備品や環境の一部であるため、IT関係の相談も総務へ集まりやすくなります。 また、総務担当者は社内の社員や契約状況を把握していることが多く、業者への連絡窓口にもなりやすい立場です。 その結果、正式にIT担当者として任命されていなくても、いつの間にか次のような仕事まで担当することになります。
- パソコンの購入と初期設定
- メールアカウントの作成
- Microsoft 365のユーザー管理
- Wi-Fiやプリンターの設定
- ウイルス対策ソフトの管理
- ファイル共有やOneDriveの設定
- 迷惑メールの判断
- 退職者アカウントの停止
- ホームページ業者やシステム会社との連絡
- ITトラブルの一次対応
この状態を、ここでは「仮IT担当者」と呼びます。 仮IT担当者は、本来の総務業務を行いながら、明確な手順書や相談相手がないままIT対応も引き受けています。
総務担当者へIT相談が集中すると起こる5つの問題
1.総務本来の仕事が止まる
ITトラブルは、予定どおりには発生しません。
給与計算や入退社手続きを行っている途中でも、社員から「パソコンが動かない」と相談されれば、業務を中断して対応することになります。
すぐに解決できる問題ならよいのですが、原因が分からない場合は、
- 1. 症状を確認する
- 2. インターネットで調べる
- 3. パソコンを再起動する
- 4. メーカーや業者へ連絡する
- 5. 状況を説明する
- 6. 社員へ結果を伝える
という対応が必要です。
一件のトラブル対応に30分から数時間かかることもあります。
その間、総務担当者の本来業務は進みません。
2.解決できないことへの心理的負担が大きい
ITトラブルは、原因が目に見えないことが多くあります。
メールが届かない場合でも、考えられる原因は一つではありません。
- Outlookの設定
- メールボックスの容量
- インターネット接続
- 迷惑メール判定
- メールサーバー
- Microsoft 365
- 送信元の設定
- セキュリティソフト
専門家でなければ、どこから確認すればよいのか判断するだけでも大変です。
さらに、「設定を変更して悪化させたらどうしよう」「大切なデータが消えたらどうしよう」という不安もあります。
ITに詳しくない人が責任だけを負う状態は、大きな心理的負担になります。
3.インターネット上の情報だけでは判断できない
パソコンのトラブルを検索すると、多くの対処方法が見つかります。
しかし、インターネット上の記事は、その会社の環境に合わせて書かれているわけではありません。
- Windowsのバージョン
- Outlookの種類
- メールサーバー
- Microsoft 365の契約内容
- セキュリティ設定
- ネットワーク構成
- 使用している業務システム
4.問題が起きるたびに相談先を探すことになる
中小企業のIT環境には、複数の業者が関係しています。
これらが異なれば、同じ症状でも原因や対処方法が変わります。
検索結果に書かれた設定をそのまま変更すると、別の問題が発生することもあります。
「調べれば分かる」と「自社で安全に実行できる」は同じではありません。
- パソコンを購入した業者
- インターネット回線会社
- メール・サーバー会社
- 複合機の販売会社
- ホームページ制作会社
- 業務システムの開発会社
- セキュリティソフト会社
トラブルが発生しても、どの業者へ連絡すべきか分からないことがあります。
連絡しても、
「パソコン側の問題だと思います」
「ネットワークは当社の担当外です」
「メールサーバーには問題ありません」
と言われ、別の業者を案内されることもあります。
そのたびに総務担当者が状況を説明し直し、複数の業者を調整しなければなりません。
5.対応方法が総務担当者個人の記憶に残る
苦労してトラブルを解決しても、対応内容を記録する時間がないと、次に同じ問題が起きたときに最初から調べ直すことになります。
また、その総務担当者が休暇を取った場合や退職した場合、ほかの社員は次のことが分からなくなります。
- どの業者へ相談していたか
- 管理者アカウントは何か
- どこを設定変更したか
- 契約書はどこにあるか
- パスワードを誰が管理しているか
- 前回のトラブルをどう解決したか
IT担当を総務担当者へ任せること自体よりも、その人しか分からない状態にしてしまうことが問題です。
総務担当者がITに詳しくなることが解決策ではありません
ITの問題が増えると、「総務担当者に勉強してもらおう」と考えることがあります。
もちろん、基本的な知識や操作方法を身につけることは役に立ちます。
しかし、総務担当者が次のすべてに詳しくなるのは現実的ではありません。
- パソコン
- Windows
- Outlook
- Microsoft 365
- OneDrive・SharePoint
- ネットワーク
- Wi-Fi
- セキュリティ
- バックアップ
- ホームページ
- 業務システム
- 生成AI
これらは、それぞれ異なる専門分野です。
また、ITはサービスの仕様や設定が頻繁に変わります。一度勉強すれば終わるものではありません。
総務担当者に必要なのは、すべてを自分で解決する能力ではなく、次の3つです。
- 1. 困っている状況を整理する
- 2. 社内で確認できる情報を集める
- 3. 判断できないことを専門家へ相談する
専門的な調査や設定変更まで、総務担当者だけで抱える必要はありません。
経営者が考えたいのは「誰に任せるか」ではなく「誰に相談できるか」
社員数が15~40名程度の会社では、専任のIT担当者を1人採用するほど、毎日IT業務が発生するとは限りません。
一方で、ITの困りごとは定期的に発生します。
- パソコンの故障
- メールの送受信トラブル
- 新入社員のアカウント設定
- 退職者のアカウント停止
- Microsoft 365の設定
- データのバックアップ
- 迷惑メールや不正アクセス
- 業者から届いた見積書の確認
- ホームページの更新
- 新しいサービスの導入
そのため、社内に専門担当者を置くことだけが解決策ではありません。
必要なときに状況を説明でき、最初に相談できる外部のIT担当者を持つ方法もあります。
総務担当者は、社内の状況を外部のIT担当者へ伝えます。外部のIT担当者は、原因を整理し、必要に応じて専門業者やメーカーと調整します。
この役割分担ができれば、総務担当者は一人で原因を調べ続ける必要がなくなります。
経営者自身が、細かなIT設定を理解する必要もありません。
社内で対応することと、外部へ相談することを分ける
すべてのIT業務を外部へ任せる必要はありません。
日常的な確認と、専門的な判断を分けることが大切です。
| IT業務 | 社内で対応しやすいこと | 外部へ相談したいこと |
|---|---|---|
| パソコン | 電源やケーブルの確認、症状の記録 | 故障診断、設定変更、データ移行 |
| メール | エラー画面の確認、発生日時の記録 | 送受信障害、サーバー・認証設定 |
| アカウント | 入退社情報の連絡、利用者の確認 | 権限設定、停止手順、引き継ぎ |
| OneDrive | 必要なファイルの確認 | 同期障害、共有設定、データ保護 |
| セキュリティ | 不審なメールを報告する | 真偽判定、被害確認、再発防止 |
| ネットワーク | 影響を受けている人数の確認 | 原因切り分け、機器・回線の調整 |
| IT業者 | 契約書や見積書を共有する | 内容確認、質問整理、業者間調整 |
総務担当者が状況を把握し、外部のIT担当者が専門的な判断を支える形が、無理のない運用です。
外部のIT相談先があると総務の仕事はどう変わる?
外部に継続的な相談先があると、ITトラブルが完全になくなるわけではありません。 変わるのは、トラブルが起きた後の対応です。
| 相談先が決まっていない場合 | 外部のIT相談先がある場合 |
|---|---|
| 総務担当者がインターネットで調べる | 症状を整理して相談できる |
| どの業者へ連絡するか迷う | 最初の相談先が決まっている |
| 複数の業者へ同じ説明をする | 必要な業者との調整を依頼できる |
| 設定変更が不安で後回しにする | 影響を確認しながら進められる |
| 対応内容が個人の記憶に残る | 対応履歴や設定情報を整理できる |
| 総務の本来業務が長時間止まる | 必要な確認だけに集中できる |
大切なのは、「総務担当者の代わりに全部操作する人」を用意することだけではありません。
困ったときに状況を整理し、次に何をすればよいか示してくれる相手がいることです。
こんな状態なら、総務担当者だけで抱えない方がよいかもしれません
自社の状態を確認してみてください。
- ◻︎パソコンやメールの相談が、いつも同じ総務担当者へ集まる
- ◻︎総務担当者がインターネットで調べながら対応している
- ◻︎ITトラブルが起きると、総務の仕事が止まる
- ◻︎どの問題をどの業者へ相談すればよいか分からない
- ◻︎Microsoft 365の管理者が誰か分からない
- ◻︎パスワードや契約情報が特定の人しか分からない
- ◻︎退職者のアカウントを停止する手順が決まっていない
- ◻︎バックアップからデータを戻せるか確認していない
- ◻︎業者の説明や見積書が妥当か判断できない
- ◻︎困ったときに、まず連絡できるIT相談先がない
3つ以上当てはまる場合は、総務担当者の努力だけに頼らず、ITの相談体制を一度整理することをおすすめします。
社内SEがいない会社で起こりやすい問題については、こちらの記事でも詳しく解説しています。
相談するときに専門用語は必要ありません
IT会社へ相談する際、「うまく説明できるか不安」と感じる方もいらっしゃいます。
しかし、最初から原因や製品名を正確に説明する必要はありません。
次のような情報が分かれば、状況を整理しやすくなります。
- 何ができなくなったか
- いつから起きているか
- 何人に影響しているか
- 画面に何と表示されているか
- 直前に何か変更したか
- どの会社やサービスと契約しているか
例えば、
「昨日から1人だけメールを受信できません」
「パソコンを買い替えてから共有フォルダーが見えません」
「取引先からセキュリティの質問書が届きました」
「Microsoft 365の管理者が誰か分かりません」
という説明からでも相談できます。
専門用語を使って説明することよりも、今起きていることをそのまま伝える方が重要です。
よろずITおまかせサポートは、総務担当者と経営者の相談窓口です
アルファパートナーズ株式会社の「よろずITおまかせサポート」は、IT担当者が不在、または総務担当者や経営者がIT業務を兼任している中小企業向けのサービスです。 日常の小さな困りごとから、IT環境全体の整理まで継続してご相談いただけます。
- パソコン・メールのトラブル
- Microsoft 365・OneDriveの設定
- 入社・退職時のアカウント管理
- バックアップやセキュリティ対策
- ホームページやWordPressの管理
- IT業者への問い合わせや調整
- 見積書や提案内容の確認
- 生成AIや新しいITサービスの活用
「どの業者へ相談すればよいか分からない」という段階でも問題ありません。
まず状況をお聞きし、アルファパートナーズで対応するのか、メーカーや既存業者へ確認するのか、次に取るべき対応を整理します。
総務担当者が一人で調べ続ける必要はありません。経営者が細かな設定内容をすべて理解する必要もありません。
社内の状況を把握している総務担当者と、判断を支える外部のIT担当者が連携することで、無理のないIT運用をつくることができます。
まとめ:総務担当者に必要なのは「知識」より「相談できる相手」
総務担当者へIT相談が集まるのは、その人が頼りにされているからです。
しかし、頼りになる人だからといって、パソコン、メール、ネットワーク、セキュリティまで、一人で抱える必要はありません。
経営者が整えるべきなのは、総務担当者にITをすべて覚えてもらう環境ではなく、総務担当者が困ったときに相談できる体制です。
- 総務の本来業務を止めない
- 設定変更を一人で判断させない
- 問題ごとに業者を探させない
- 対応内容を個人の記憶だけに残さない
- 困ったときの相談先を決めておく
これだけでも、総務担当者の負担と会社のITリスクは大きく変わります。
「今、誰がIT対応をしているのか」
「その人が休んだとき、誰へ相談するのか」
「困ったときの連絡先が決まっているか」
経営者の方は、まずこの3点を確認してみてください。