社内SEがいない会社で起こる7つの問題|中小企業が放置しやすいIT運用リスク
社内SEがいない中小企業で起こりやすいITトラブル、属人化、セキュリティ、ベンダー対応の問題を整理。相談前のセルフチェックも紹介します。
2026年6月30日
こんなお悩みはありませんか?
問題は、今すぐ大きな障害が起きていなくても、IT運用が少しずつ属人化していくことです。
誰がアカウントを管理しているのか、バックアップは取れているのか、退職者の権限は残っていないか。こうした小さな不安が積み重なると、ある日まとめて表面化します。
この記事では、社内SEがいない会社で起こりやすい7つの問題を、総務担当者や社長にもわかりやすく整理します。最後に、自社の状態を確認できるセルフチェックも用意しました。
社内SEがいない会社で起こる7つの問題
- 1つ目: ITトラブルの窓口が決まらないことです。メールが届かない、プリンターにつながらない、Microsoft365にログインできない。誰に聞けばよいかわからないため、詳しそうな人に毎回聞く状態になります。
- 2つ目: アカウントや権限の管理があいまいになることです。入社時には必要なアカウントを急いで作る一方、退職時の停止や共有フォルダの権限見直しは後回しになりがちです。
- 3つ目: バックアップが取れているつもりになることです。外付けディスクやクラウドに保存しているだけでは、復旧できるとは限りません。重要なのは、消えたときに戻せる状態かどうかです。
- 4つ目: ベンダー対応が属人化することです。複合機、ネットワーク、メール、ホームページ、セキュリティソフトなど、問い合わせ先が分散し、社内で状況を整理できないまま各社に連絡することになります。
- 5つ目: セキュリティ判断が後回しになることです。MFA、パスワード、共有リンク、ウイルス対策、更新作業など、日常業務に追われて優先順位をつけにくい領域です。
- 6つ目: IT費用の妥当性が判断しにくくなることです。契約中のサービスが本当に必要か、重複していないか、プランが合っているかを確認する機会が少なくなります。
- 7つ目: 改善の相談相手がいないことです。生成AI、クラウド、業務効率化に関心があっても、最初に何を整えればよいか判断できず、結局そのままになります。
実際の支援事例: Outlookの受信遅延
当社で支援した事例では、Outlookの受信が遅いという相談がありました。単にアプリの調子が悪いのではなく、同期対象のメールが約6000通に増えており、端末やアプリ側の処理が重くなっていました。
このようなケースでは、パソコンの買い替えだけで解決しないことがあります。メールボックスの整理、同期範囲の見直し、New Outlookと従来版Outlookの違い、CyberMailなど周辺環境の確認が必要です。
社内にIT担当者がいない場合、原因を切り分ける前に別々の業者へ相談してしまい、時間がかかることがあります。最初に状況を整理する相談役がいるだけで、対応の順番は大きく変わります。
社内SEを置かないこと自体が問題ではない
大切なのは、社内SEがいないことをすぐに悪い状態と決めつけないことです。会社規模によっては、専任のIT担当者を採用するより、外部の相談役を持つ方が現実的な場合があります。
問題は、誰もIT運用を見ていない状態です。社内に担当者がいなくても、相談先、記録、判断基準、定期点検があれば、運用は安定します。
IT担当不在リスク セルフチェック
次の項目にいくつ当てはまるか確認してみてください。すべてを今すぐ完璧にする必要はありませんが、チェックが多い場合は、IT運用が特定の人の記憶やその場対応に頼っている可能性があります。
- ◻︎ Microsoft 365の管理者が誰か分からない
- ◻︎ メールや各種アカウントを誰が管理しているか整理されていない
- ◻︎ 退職者のメール・アカウントを削除するルールがない
- ◻︎ Wi-Fiや共有機器のパスワードを誰が管理しているかはっきりしない
- ◻︎ PCが故障したときの連絡先や対応手順が決まっていない
- ◻︎ 大切なデータのバックアップが取れているか確認していない
- ◻︎ セキュリティ更新や多要素認証が後回しになっている
- ◻︎ Wi-Fiやネットワーク機器の管理情報が整理されていない
- ◻︎ ベンダーへの問い合わせ窓口が毎回バラバラになっている
- ◻︎ OneDriveやSharePointの共有範囲を把握していない
- ◻︎ ホームページやWordPressの管理者情報が整理されていない
- ◻︎ 生成AIを業務で使うときの社内ルールがない
- ◻︎ 困ったときに、まず相談できるIT担当者や外部パートナーがいない
診断結果の目安は、0〜3個なら比較的整理されています。4〜7個なら、一度IT運用の見直しがおすすめです。8個以上なら、IT担当不在リスクが高く、早めの相談をおすすめします。
チェックが多かった場合は、社内SEを採用する前に、まず現在のIT運用を整理することが大切です。アルファパートナーズの「よろずITおまかせサポート」では、ITの相談役として現状整理からご支援します。
相談前に整理しておきたいこと
問い合わせや相談の前に、完璧な資料を用意する必要はありません。むしろ、困っている内容をそのまま言葉にすることが大切です。いつから起きているのか、誰が困っているのか、業務にどの程度影響しているのかがわかるだけで、原因の切り分けは進めやすくなります。
社内で整理しておくとよいのは、利用中のサービス名、関係する端末やアカウント、直近で変更した設定、既に問い合わせたベンダー、過去に似た問題が起きたかどうかです。これらがすべて揃っていなくても相談はできますが、分かる範囲でメモしておくと初回相談がスムーズになります。
アルファーパートナーズが重視するのは、いきなり答えを決めることではなく、まず状況を一緒に整理することです。社内だけで判断しにくい状態をほどき、何を社内で対応し、何を外部に任せ、何を継続的に見直すべきかを明確にします。
特に中小企業では、担当者の経験や善意に頼ってIT運用が回っていることがあります。その状態を否定する必要はありませんが、記録、相談先、判断基準を少しずつ整えることで、担当者の負担を減らし、会社として同じ失敗を繰り返しにくくできます。
- 困っている内容を一文で書く。
- いつから、誰に、どの業務に影響しているかを確認する。
- 利用中のサービス名や契約先を分かる範囲で控える。
- 急ぎの対応か、運用改善の相談かを分ける。
比較表
| 問題 | 起こりやすい状態 | 相談すべきタイミング |
|---|---|---|
| 窓口不在 | 詳しい人に毎回聞く | 同じ質問が月に何度も出る |
| 権限管理 | 退職者や共有リンクが残る | 入退社が増えた |
| バックアップ | 保存しているだけで復旧確認なし | 重要データが複数箇所にある |
| ベンダー対応 | 問い合わせ先が分散 | 原因の切り分けができない |
| セキュリティ | MFAや更新が後回し | 取引先から対策を求められた |
まとめ
社内SEがいない、採用が難しい、費用が読みにくい、支援会社の違いがわからない。こうした悩みは、どれも中小企業にとって自然な課題です。大切なのは、すべてを社内だけで抱え込まず、まず状況を整理できる相談先を持つことです。 アルファーパートナーズは、IT会社として作業だけを行うのではなく、中小企業のIT相談役として、社外の社内SEのように伴走することを大切にしています。